■ 【賢者的考察】 「考える習慣」
みなさん、こんにちわ。 各地で酷暑や豪雨に見舞われたりと、 今年の夏はどうにも変化の激しい季節となっておりますが、 いかがお過ごしでしょうか。 さて、今回のテーマは「考える習慣」であります。 「○○さん、これはどうしたらいいですか?」。 その都度、意見を求めてくる周りの人に対し、 「もっと、自分で考えて動いてくれないかな」と思ったことはありませんか。 リーダーに限らず、チームを組んで仕事をしていると、このような場面に 遭遇する人も多いと思います。 意見を求められるたびに自分の手も止まり、仕事が思うように進まないと 悩んでいる人もいるかもしれません。 では、どうすればみんなが自分で考えてくれるようになるのでしょうか。 今回は、そのようなテーマについて、各人が物事を考えるようになる簡単な仕掛けについて 考察を進めたいと思います。 ■ 自分で考えなくさせているのは誰だ? 私がリーダーになりたてのころの話です。当時はよくスタッフから質問されたり、 アドバイスを求められたりしました。聞かれたことに答えるのがリーダーの役割だと思っていた私は、 その都度「それは、○○じゃないよ。△△のほうがいいんじゃない?」と答えていました。 しかし、たびたび質問されると答えを考えなければなりませんし、そのために仕事が 止まることもしばしば。 そのうち「こんなことなら、自分でやったほうが早いよ。もっと自分で考えてくれないかなあ」と 思うようになりましたが、どうしたらみんなが自分で考えてくれるのか分かりません。 そうしているうちに、 1. スタッフがわたしにアドバイスを求める。 2. わたしがアドバイスをする。 3. スタッフは、わたしのアドバイス通りに行動する。 というサイクルが出来上がってしまったのです。 ここで私は、困ったことに気がつきました。 「みんなに“自分で考えてほしい”と思っていたけれど、ひょっとしたら私が“自分で考えない人”を 育てていたのかもしれない……」 尋ねられたら答える、アドバイスを求められたら与える。それが誠意だと思っていました。 しかし、これを小学校のテストで例えれば、子供が自分で考えて答えを解く前に、 先生が答えを教えてしまうようなものです。 先生のいうとおりに書けばマルがもらえるなら、子供は自分で考える必要がありません。 これでは、いつまでたっても子供は自分で考えるようにはならないでしょう。 「どうしたら、みんなが自分で考え、気付くようになってくれるのだろう?」 ■ 考える「キッカケ」を創ってみよう 私達は毎日、たくさんの思考を繰り返しています。 ここで少し、あなたが頭で考え始めるのはどんな時かを思い出してみてください。例えば、 ? いままで目にしたことがないものを見て、「あれはいったいなんだろう?」と思う。 ? ほかの人の話に、「なぜあの人はあんなことをいうのだろう?」と疑問を持つ。 ? なんだか嫌な感じがした時に、「これは、いったいなんだろう?」と考える。 このように、何か物事を考え始める時には、自分自身の中になにかしらの問いかけが 起こっていることが分かりますよね。 子供は言葉が話せるようになると、親にたくさんの「なぜ?」を投げかけます。 それはきっと毎日目にするものが新しく、「あれは、いったいなんだろう?」 「なぜ、そうなっているんだろう?」と思うからなのでしょう。 子供のように、どんなことにも「なに?」「なぜ?」と思えればいいのですが、 大人になると、小さな疑問は無意識のうちに無視してしまいがちです。 「疑問を持ちなさい」「問題意識を持ちなさい」と言われても、意識すれば簡単に持てるもの でもありません。 なにかのきっかけで「あれは、いったいなんだろう?」「なぜ、ああなっているのだろう?」と、 ふと思うから疑問なのです。 ただし、何に対し「ふと疑問に思う」かは人によって違います。 あなたが疑問に思うことに気づかない人もいますし、あなたが気づいていない何かに疑問を 感じている人もいるわけです。 そこであなたが持っている疑問を、仲間と共有してみてはどうでしょうか。 「○○って、どうしてだと思う? みんなで考えてみようよ」というようにみんなに問いかけ、 一緒に考えてみましょう。例えば、会社にはいろんな仕事のルールがありますが、 --- なぜ、会社のお金を使った時には領収書が必要なのか。 --- なぜ、問題が起きた時には上司に報告しなければいけないのか。 疑問に思ったことはありますか? きっと、多くの人が「そういうルールだから」と思っている だけで、本当の意味や理由は知らないままにそうしています。 ほかにも「そういうルールだから」というだけでやっていることはないでしょうか。 こうしたことを休憩時間などにちょっと問いかけるだけでも、一緒に考えるきっかけになります。 折に触れて「問いかけ」「一緒に考える」を続けていけば、いずれそれは習慣になることでしょう。 するとだんだんと「自分で考える」ことも習慣化されていくのではないでしょうか。 「自分で考える」ことが、その方にもたらす可能性は計り知れません。 この機会に、仕事場のみならず、生活における様々な関係者に対し、 考える習慣を育むための切っ掛けを働きかけてみてはいかがでしょうか。
日付0000-00-00 00:00:00