■ 【賢者的考察】 「主体性」を考える
    
 みなさん、こんにちは。

 さて、今回は、本質的な能力ともいうべき、
 「主体性」について考えてみたいと思います。


 主体性、自主性、積極性。
 これらの言葉は、どのように違うのでしょうか。

 特に主体性と自主性は似た意味を持つように思えますが、
  厳密には大きく異なる概念を持ちます。辞書によりますと、

 ・主体性は「自分の意志・判断で行動しようとする態度」

 ・自主性は、「他からの干渉や保護を受けず、独立して事を行うこと。」

 とされています。

 他者からの働きかけや干渉をされる前に、行動を起こすという点は共通ですが、
 その行動を起こす「起点」という点で、大きく違うのです。つまり、
 
 自主性は、「やるべきことが決まっているなかで、そのやるべきことを、いわれなくともやる」。
 
 一方、主体性は、「何をどうやるかを考えて、そのための行動を、いわれなくともやる。」

 ということになります。

 これらの概念の違いは、実際の行動を例にとると、よくわかります。

 たとえば、来月に、重役たちが集まる「会議」があるとします。この会議で、経営陣は、
 現場についてヒアリングし、より理解を深めたいと考えています。
 そのため、関連労働者は自由に発言してよい機会となっています。そこで、

 自主性のある人は、話したい内容、聞かれた内容にこたえられるよう、
 質問・回答項目をリストアップするかもしれません。

 一方、主体性のある人は、予め、独自に現場でヒアリングをおこない、抽出した課題(仮説)の
 解決案を、3分のプレゼン形式で行おう、その資料を事前配布しようと考えるかもしれません。
 
 また、その両方の姿勢を持たない人は、特に指示もないので、会議に参加し、聞かれたら答えよう
 と考えるかもしれません。

 まさに三者三様の捉え方、行動が生まれることでしょう。
 
 さらなる例として、たとえば、就職活動をしている学生さんのケースでは、
 
 「就職活動に向けて何をすればいいのでしょうか」「どんな会社が向いているのでしょうか」
 「OB・OGに会うのですが、何を聞いたらよいでしょうか」「お礼の手紙は出すべきでしょうか」
 といった質問をする方が多いと言われています。

 このように、自身で調べ、判断せず、他人に多くを頼る方は、主体性・自主性に乏しいと
 いえるでしょう。

 では、この主体性、どのようにすれば鍛えることができるのでしょうか。


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 ◎ 主体性を鍛える方法 1 :あなたを取り巻く状況を冷静に把握する 

 主体性を持った「仕事のできる人材」になるためには、どうすればいいのでしょうか。
 まずは、今の自分の立場を客観的に理解することです。自分が何をしなくてはいけないのか、
 周囲の人々は自分に何を期待しているのかを把握することです。

 大学生なら学業・研究は当然ながら、学生だからこそできるサークル・部活動やいくつもの
 アルバイトに挑戦してみる、学内外で友人を作ることなどに挑戦してほしい。その上で、
 自分はどんな役目を果たすのか、周りは何を期待しているのかを考えなければなりません。


 ◎ 主体性を鍛える方法 2 :小さなことから決断 

   次に自分で考え、責任を持って決断することです。それはどんな小さなことでも構いません。
   
 たとえば、お母さんに「今日の夕食は何がいい?」と聞かれたときに、
「何でもいい」と答えていませんか? これは自分が決断することを放棄しているのと同じです。
 肉がいいのか、魚がいいのか、野菜がいいのか、自分で決めることです。

 友人と遊ぶ際にも「どこに行く?」と聞かれて「どこでもいいよ」と返していませんか。
 「渋谷はどうだろう」と、候補を出すだけでもいいのです。自分で考え、自分で決めることを
 放棄しないようにしましょう。子供の主体性を育くむ方法としても、「今日、履く靴を選ばせる」
 といった方法が有用だとされていることに、共通する考え方です。


 ◎ 主体性を鍛える方法 3 :決めたら行動する癖をつける 

   最後は、やはり行動をしましょう。「やるべきこと」は分かっていても、行動しないようでは、
 ただの絵空事にすぎず、主体性という姿勢は身につきません。自分の状況を把握し、やるべきこと
 が見えてきたら、「こうする」「これをやる」と決断し、しっかりと行動をおこすことです。

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 さて、駆け足で、主体性の向上に有用とされる方法をみてきましたが、いかがでしょうか。

 実は、これらの行動は、主体性を持つ人間の行動パターンです。
 このようなことに意識し、生活をしてゆくことで、きっと主体性が育まれてゆくことでしょう。

 しかしながら、主体性がない方がこのような姿勢に取り組むと、当初は困難なこともあるでしょうし、
 すぐに望む結果につながらないことも、ままあるでしょう。

 しかし、この実現の難しさこそが、次にやるべきことを明確にし、どうずればよいかを考え、
 行動が求められる機会を増やしてくれるのです。この過程で、あらゆる能力が育まれ、目的を
 達成し、次のステージに向かうのです。

 高い主体性を持つ人は、このサイクルを繰り返して、自分自身の能力を養っていきます。
 このようにして、主体性を持つ人は、自己で成長を働きかけてゆくわけですね。

 皆さんはどのような成長を望まれますか。考察の一助となれば幸いです。

 それでは、また次回。


 【参考】習慣化コンサルタントの続ける習慣ブログ - 自主性と主体性の違い

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