■ 【賢者的考察】 「創造性を発揮するために」

 皆さんこんにちは。
 如何お過ごしでしょうか。

 リオデジャネイロオリンピックなどを見ていると、
 実に様々な国があるんだなぁと実感しますよね。

 その国々のひとつひとつが、私たちと同様に、
  様々な課題と可能性をもっているわけであります。
 
 さて、そのオリンピックに参加した国家の多くを、
 「イノベーティブな国」という観点からランキング化を
 するとどうなるか。

 下記は、そのランキング結果の一覧です。

 【グローバル・イノベーション・ランキング資料はこちら】

 ・1位 スイス
 ・2位 スウェーデン
 ・3位 英国
 ・4位 アメリカ
 ・5位 フィンランド
 ・6位 シンガポール
 ・7位 アイルランド
 ・8位 デンマーク
 ・9位 オランダ
 ・10位 ドイツ
 
 このように、欧州に属し、GDP規模としては大きくない国家が、多くランクインしています。
 経済発展を目指す国家は、ベンチャー企業の成長要因と同様に、「イノベーション」=「革新性」が
 必要なことが見て取れるようです。

 では、その「革新性」を生み出すためには何が必要なのでしょうか。
 ここでは大きく、「人材」の創造性と、創造性を具現化する「組織」という観点から、
 考察をしてみましょう。


 ■ 人材が持つ創造力


 上記のランキング結果が示す、16位という数値。その数値は、日本人の創造性が欠けていて、
 イノベーションが苦手なことを示しているのでしょうか。

 そうではありません。

 実際に、日本のイノベーションランキングは年々上昇し、グローバルマーケットにて成果をあげている
 日本企業も増加しています。
 
 特に、自動車や家電、コンテンツ市場において顕著であり、ものづくり国家としてのブランド醸成に
 寄与しています。

 しかし、その創造性が、現代から未来にかけて、いかんなく発揮し続けられるかについては、
 多くの懸念があります。


 ■創造性を活かす組織とは


 「今の日本企業は、社員個人が創造性に富み、せっかくの『情報や知識』があっても、
 それを組織の中で有効活用できない構造的な問題を抱えているように見える」。
 
 このように述べるのは、書籍『世界で最もイノベーティブは組織の作り方』を著した、山口氏。

 同氏は、日本企業でイノベーションの促進を阻害するボトルネック・ファクターは組織であり、
 組織が個人の創造性をうまく引き出せていないと断言。ゼロ戦、ウォークマン、新幹線といった、
 企業組織が関わりながら成功した例はあれど、いずれも組織力より個人としての力量を発揮する機会に
 恵まれた結果であり、日本人は、個人になれば世界トップレベルの創造性を発揮するのに、
 組織になるとからっきしダメになると指摘する。だから、問われるべきは、
 『人材の創造性を阻害している組織要因は何なのか?』だといいます。

 その、創造性を阻害する組織要因のひとつは、組織特有の「権力格差」と「目標管理制度」の間に
 発生する、「ねじれ」だとしています。

 そもそも、このような「目標管理制度」は、権力格差が比較的小さいといわれている、アメリカで
 開発されたもの。
 
 部下と上司が対等な立場で交渉の場を持つことを前提にして開発された経緯をもちますが、
 日本を含めた、権力格差指標の大きな分化圏では機能しにくいといわれています。

 この「ねじれ」は、上司に進言することが難しい風土を持つ企業では特に、粉飾など、
 間違った結果につながる可能性を多くはらみます。

 このことは、『目標管理制度』を金科玉条としている企業の多い、日本全体の課題かもしれません。


 ■今後の企業成長に必要なこと


 日本企業の強みの一つと言われた、組織の「一体感」や「仲間意識」。

 これは決まったことを皆で懸命に取り組めば成果が上がる時期に必要といわれています。
 しかし、「同質性」が重要な要素であった成長局面から、「多様性」が主要な成長要因となりつつある
 現代では、イノベーションの実現=創造性を発揮できる風土づくりが必須となることでしょう。

 そのためには、採算性を大前提に、シニア層が培ってきた「知恵や経験」、「若手の新鮮な観点」、
 異文化を持ち込む中途社員の視点を嚙合わせることが重要になることでしょう。
 「同質化」ではない、「一体化」です。
 
 多様性を尊重する「ダイバーシティ」戦略は、グローバル展開を行う企業のみならず、世代の違う社員が
 多く在籍する、多くの日本企業に対して必要なことではないでしょうか。

 そして、この多様性を活かせる企業風土ができれば、本来、創造性に富む日本人のつくるモノやサービスは、
 グローバルシーンにおいても成長しつづけるのではないでしょうか。

 一方、企業成長をささえる人材は、どの職種、業界に属そうとも、時代遅れの専門家にならぬよう、
 常に知識を時代に併せてアップデートし、スキルやノウハウの陳腐化を食い止める努力を不断に
 行っていなければなりません。

 そして、常にバリューの高い商材を求めるターゲットに対し、満足させることのできる創意工夫が、
 ますます重要になることでしょう。

 
 みなさんは、どのようにお考えでしょうか。
 ぜひ考察を深めてみてください。

 ではまた次回。


 【関連記事】

 「これからの時代に必要な労働意識とは」

 【参考文献】

  イノベーション/創造性を破壊する日本企業の組織の恐ろしさ
   
   -http://www.huffingtonpost.jp/seaskywind/innovation_b_5540955.html

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