■ 【賢者的考察】 「活きる」能力は年齢と共に向上する

 皆さん、こんにちは。

  暑い日が続きます。
 
 熱中症の怖いところは、体温調節能力の低下のみならず、
 気温に対して鈍感になり、体が水分を欲しているにも関わらず、
 それに気づかずに放置してしまう点。
 
 体調管理をしっかりと行い、ご自愛ください。

 さて、長寿大国、超高齢化社会といわれて久しい日本。
 皆さんはこの超高齢化社会に対し、どのような印象をお持ちですか?

 「老人ばかりで、先のない国」のような、ネガティブな印象ですか?

 逆に、「幸せな人が多い国」「成熟した賢い人が多く住む国」という印象でしょうか?

 先日、海外の著名な大学で、生物学を研究しているLewis Wolpert名誉教授は、
 次のような研究結果を公表しました。

 「人生で最も幸福を感じるピークは80代」

 もちろん、幸福への価値観は、生まれ育った環境や考え方に大きく影響を受けるため、
 定義は難しくあります。その中で彼は、人の一生のうちに感じる幸福度の推移について
 下記のように述べています。

 ・ 10代から20代にかけて、ほとんどの人が平均的に幸福を感じている
 
 ・ その後、中年に差し掛かる頃までは、家族を養ったり、仕事での成功に対する重圧で
   幸福度は次第に下がる

 ・ しかしその後、40代中ごろから陽気で楽観的になっていく傾向が見られる
 
 ・ その後、幸福を感じる度合いは上昇し、70代から80代にかけてピークに達し、  
   これまでの人生に幸福を感じる

 また、米国の研究機関による、約34万人へのアンケートでも、上記と同様の結果を示しています。
 すなわち、成人してからしばらくは幸福を感じる度合いは減少し、40代後半に差し掛かると上昇傾向を
 見せ始め、85歳のピークに達するまで幸福度は上昇し続けるといいます。

 一方、「知的能力面」についてはどのように推移するのでしょうか。

 驚くべきことに、年齢を重ねるごとに、計算や外国語、意志決定など、その人が苦手としていた分野での
 成長が認められるとのこと。脳が成熟していくことによって能力が向上することが示されています。

 この知的能力に関する検証は、TV「たけしの健康エンターテイメント_みんなの家庭の医学(朝日放送)
 でも行なわれていました。

 結果は、英語などの他言語を日常的に使用している、65歳以上の男女と、現役の東大生の記憶力は
 同等であるとのこと。年齢に関係なく、脳への刺激により、認知症の予防どころか、神経ネットワークを
 増やし、活性化できるのことです。

 このような研究データでは、高齢者の幸福度や知的能力の低下を示していません。
 むしろ、向上を続けており、ネガティブなイメージと相反する結果となっています。

 また、昨今の日本では、特にシニア層へ向け、「活きる」ための環境づくりが活性化しています。
 不足が叫ばれている介護施設の増設対応や、人手不足を緩和するための介護ロボットの導入など、
 様々な試みも行なわれています。
 
 加えて、日々の生活に密着している「地域」社会では、住民同士の相互理解、協力を促進する、
 団体の設立や、生涯学習講座の運営なども、盛んに行なわれています。

 このように、私達が生活している「超高齢化社会」は、自信と活力をもって生きてゆける社会なのです。
 そしてそのことを念頭に、各人が前向きに営みを続けることが、とても大事なことなのではないでしょうか。


 【参考文献】

 ・The telegraph

 http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/8409411/Happiness-peaks-in-our-eighties.html#

 ・たけしの健康エンターテイメント: みんなの家庭の医学

 http://www.asahi.co.jp/hospital/onair/140204.html

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