■ 【賢者的考察】 「仕事人間ばかりでは、組織が丸ごとダメになる」
みなさん、こんにちは。 いかがお過ごしでしょうか。 次第に気温が上がり、また新社会人が誕生する時期になってきましたね。 さて今回は、その時期にちなみ、「仕事」についての取り組み方のひとつを考察いたしましょう。 まだまだ現役の方、これから何かに取り組もうと考えている方、引退された方、読者さんにおかれても 賛否両論あると思いますが、是非お付き合いください。 さて、掲題のテーマであります「仕事人間ばかりでは、組織が丸ごとダメになる」と提言するのは、 ライフネット生命保険社長の出口氏です。 今日はこの方のお話を元に、考察を深めてゆきましょう。 雇用形態や、年齢・性別に関係なく、そして恐らく多くの国にとって、仕事は切っても 切り離せないものでしょう。経済活動を根底で支えるものであります。 また、向学心旺盛な現役読者さんも、これまで、また現在、いわゆる「仕事人間」ではありませんか? しかし、同氏によると、いわゆる「仕事人間」は、いわゆるプロフェッショナルではないとしています。 むしろ、「人生において仕事の占める割合は、せいぜい3割程度です。家族や恋人との営み、友人 との語らい、そして個人の楽しみのほうがはるかに大きな割合を占めるはずです。」としています。 これを聞くと、「仕事を舐めているのか!」とお怒りになる方もいらっしゃるかもしれませんね。 「すべてを仕事に捧げるくらいじゃないと、本当にいい仕事はできないぞ!」と思っていらっしゃる方 もいるでしょう。 さて、ではなぜこのような発言に至るのか。 同氏によると、 「現実に生きていて、仕事が人生の100%であるわけがありません。 ところが「仕事が人生の全てだ」と考えると、自分の個人的な趣味嗜好や価値観、好き嫌 いなど、 仕事に本来関係ないはずの思考を、仕事に持ち込もうとするようになります。 つまり、悪い意味での公私混同が始まるのです。 」 そして、経営に「趣味や好き嫌い」が持ち込まれるとなると、どうなることでしょう。 組織が同質化し、多様性が失われ、残された人にはきわめて居心地のいい場所になりますが、 外部からの知的な刺激がどんどん失われ、組織が丸ごとダメになる・・・。 そんな展開が見えてくるのではないでしょうか。 ここ日本でも、いわゆる長い歴史を持つ企業は、このような風潮が見てとれます。 むしろ、自然にそのような力学が働いてしまうという気がします。 しかしこのことは、会社の成長、また社員個人にとっても好ましくないことですね。 だからこそ、同氏はいいます。 「仕事 なんて人生の3割」という発想が大事なのです。その方が、割り切ってプロフェッショナルに 取り組もう、効率的に働こう、と徹することができる」といいます。 そう考えることで、バランス感覚を取り、より良い仕事に繋がると考えるわけですね。 つまり、仕事が人生を覆い尽くすのではなくて、人生の一部分として仕事があると考えることで、 必然的な欲求でもある自己表現・好き嫌いを、人生=仕事という領域に持ちこむことがなくなる。 なぜなら、仕事以外の人生で露出すれば良いから、ということですね。 自分の感情を、主観を、趣味を、人生の7割に注ぐこと。 それはつまり、最良のパートナーを見つけること。家族をつくること。次の世代を育成すること。 そしてみんなで楽しく食事をし、愉快に遊び、旅に出ること。本や映画や音楽を堪能すること。 そんな人生を過ごすため、仕事というプロフェッショナルな3割の時間があるともいえるのでしょう。 皆さんはいかがお考えですか? 是非ご自身の考察を深めてみてください。
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