■ 【賢者的考察】 社会が変われば働き方が変わる?
皆さんこんにちわ。 酷暑といわれる日が続いていますが、 皆様いかがお過ごしでしょうか。 日本経済も、その実態が如何様なのか依然として見えにくく、 乱発と取れなくもない経済政策、さまざまな思惑が交錯している様であります。 そのような状況のなか、お聞き及びのとおり、 地方公務員の駆け込み退職が問題となりました。 年度末に定年退職をひかえた人が、退職金が引き下げられる前に数か月前倒しで退職し、 数十万から百万円程度を“上乗せ”受給するという問題ですね。 通常は、自己都合で退職する場合は退職金が減額されるため、 退職金が切り下げられることになっても自分からは手をあげないもの。 ただし、自治体によっては60歳到達後、年度末に定年退職するまでの間に自己都合で退職する分には 減額されないという“穴”がありました。 多くの民間企業では、割増退職金を払って一生懸命中高年を辞めさせようとしているわけで、 もちろん公務員にだけ「金で動くな」と説教してもナンセンス。 そのような問題の背景には、実はもっと本質的な、各人に対する課題があるように思うのです。 ■「今の仕事って面白いですか?」 そう聞かれて、「はい!」と答える人は、定年前にやめないですよね。 定年に関係なく、働きたいと思いますよね。 しかしながら目の前に出現した“条例の穴”というエアポケットに脇目もふらず飛び込む60歳が大勢。 この背景には、その方の甲斐性云々よりも、そもそも、 日本がこれまで敷いてきた賃金制度に問題があるとみるべきではないでしょうか。 「60歳まで勤めればいっぱい出しますよ、でも途中で自己都合で辞めた人は大幅減額しますよ」 というような、人為的に個人を組織に縛りつけているのが現状の終身雇用および退職金制度であり、 国も退職金優遇税制等でそれを後押ししてきました。 確かに昔、長く勤めてもらうことでより良い人材に成長してもらおうという狙いがあったのでしょう。 しかし現在、多くの組織の中で、個人と仕事の関係はいつのまにか個人と組織の従属関係に 変わってしまっています。 だからこそ、これまで何十年と実務をこなしてきた公務員たちが、エアポケット的に目の前に出現した 条例の穴に歓声を上げつつ飛び込んでしまう現実があるのではないでしょうか。 そしてこれは、官民問わず、日本中のあらゆる組織で大なり小なり見られるのではないのでしょうか。 実際、各種の調査でも、日本人の仕事に対する満足度は先進国中最低レベルです。 社会は変わっています。激変と言えるでしょう。 だからこそ、「仕事の在り方」にしっかりと各人が向き合うべきなのではないでしょうか。 そしてさらに、「働く」ことと向き合い、「人生」との関係を考え、 「幸せ」について考えるべきでしょう。 この気付きを与えてくれている、今はそんな社会なのではないでしょうか。
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