■ 【人生とお金:特別企画】 「仕事の基本」
横並びの学生社会から、縦割りの社会へ参加した新社会人の皆さん、 GWの連休も終わり、今回は「5月病」なるものにかかってやいないかと思いまして、 今回の「人生とお金」では、「仕事」の進め方なる、「仕事の基本」についてお話をしてゆきたいと 思います。 読者の皆さんも、私と同様、新社会人になった時期は、昔々のことで、どのような社会人だったか? と思い出すのが困難かもしれませんが、今回、社会人経験豊富な皆さんも過去を振り返りながら、 一緒に振り返りながら、ご一読いただければ幸甚です。 さて、まず、『仕事』と『作業』という言葉の定義をします。 ------------------------------------------------------------------------------------ ■『仕事』:その日にやること決めたりまとめたり順序立てて準備すること。 ■『作業』:資料の作成やメール送信、ものづくりなど、実際に手を動かすこと。 ------------------------------------------------------------------------------------ 要するに、『仕事』とはやるべき事を『作業』レベルまで落とし込むことです。 『作業』まで落とし込まれれば、後は特に判断を交えること無く淡々とこなしていくだけです。 この「淡々と作業をする」状態をいかにうまく作るか、が『仕事』の上手さです。 上司になればなるほど『仕事』をすることが求められることでしょう。 やるべき事を『作業』レベルに分解して、部下に投げる必要があるからです。 これができずに上司になると、「ミスター丸投げ」などと呼ばれて忌み嫌われてしまうことでしょう。 そうならないよう、せっかく吸収力抜群の新社会人になったわけですから、 このタイミングで、『仕事』が出来るように意識してみましょう。 ■ ポイント(1):やるべき事を洗い出す とにかくやるべき事を書きだします。このとき、既に粒度を意識しておくといいと思います。 最長でも2時間で、平均数十分単位で片付くように作業を洗い出します。 「○○さんにメールする」などのレベルまで書けるなら、書きだします。 作業の粒度はより詳細に作業の粒度が大きいと、大きく3つの弊害が発生します。 ◎ 3つの弊害 その1:着手から完了までに時間が掛かる 着手から完了まで時間がかかると、突発の作業が入った際に割り込ませるまで時間が掛かります。 また、1つの作業に時間が掛かりすぎると、達成感を得づらくなります。 小さい作業をこなし小さい達成感を積み重ねることで、楽に作業を勧められるようになります。 ひとつの作業が完了するまで時間が掛かると、精神的な疲れとストレスが溜まりやすくなります。 ◎ 3つの弊害 その2:優先すべき小作業が見つかりづらい 後述の他人への要請や依頼など、早めにやっておくことで効果がある作業と言うのがあります。 作業粒度が粗いと、こういった細かくかつ優先すべき作業が見えづらくなります。 ◎ 3つの弊害 その3:見積もりとのズレが把握しづらい 要は、作業粒度が粗いと自分の見積もりの精度がただしいかどうかが解らなくなる、ということです。 ■ ポイント(2):人を動かす作業を優先する 他人への依頼や要請などは、早めに入れましょう。 他人をより早く動かし始めることで、並列して作業をこなすことが出来ます。 逆に、情報や成果が必要になってから他人に依頼をおこなうと、 その分だけ待ちが発生してしまいます。不要なストレスの元になるので、依頼や要請は 早めにおこなっておきましょう。 ■ ポイント(3):作業は固める 人間は基本的にマルチタスク出来ないようになっています。シングルタスクです。 複数の作業を同時にこなせていると思うのは、ただ交互に作業を切り替えているだけです。 そして、その切替が実はものすごくハイコストなんです。人間、交互に作業をしようとすると 集中力が切れたり作業内容を思い出す必要があります。一度切れた集中はなかなか戻るもの じゃありません。思い出すのにも時間が掛かります。 ひとつの作業をおこなうときは集中してやる。 間に割り込みを入れない。似た作業があるなら、それも寄せたほうがいいでしょう。 ■ ポイント(4):予定は固めて寄せる 作業を固めるのと同じで、人と会う約束などは出来るだけ固めるのがいいです。 そして、朝開始か定時終了前までに寄せます。こうすることで、日中の一番長く取れる時間を 連続して確保することが出来ます。この連続した時間を確保するのが、とても重要です。 前述ですが、集中力と言うのは一旦途切れるとなかなか戻せるものじゃありません。 作業途中でミーティングに出たりすると、戻ってきて「あれ?何やってたっけ?」とな ってしまうわけです。 予定は固めて寄せる。これが予定を入れるときの定石です。 ■ ポイント(5):割り込み作業が発生したら 仕事はナマモノ、いつ何が起きるか解りません。そういう時は、慌てず騒がず、作っておいた 作業一覧に、割り込み作業を足すことです。そして、割り込ませた人に確認して、優先度(期日)を 付けます。 割り込まれた瞬間から着手というのは決してやってはいけません。割り込み作業に翻弄されるのは、 行き当たりばったりの仕事です。そしてそういう作業者は「本来やるべきだった作業」ができないまま 時間が過ぎ、残業せざるを得なくなるのです。 ■ ポイントのまとめ 以上が、『仕事』の進め方の基本ポイントになるかと思います。 やるべき事を細かく洗い出して『作業』に落としこんで、優先度を付けて並べる、だけの話です。 とてもシンプルなことなのですが、細かい「作業の進め方のコツ」を教えてくれる人は居ても、 「作業の組み立て方」自体を教えてくれる人は、シンプルが故に、あまりいないのではないでしょうか。 作業を管理するための方法は色々あります。紙付箋やデスクトップ付箋、Outlookなど、 方法は何でもいいと思います。自分に合ったものを選んでください。 私のオススメは、紙に付箋を貼って、優先度の高いものを紙の上の方に並べて、 こなしたら捨てて行くスタイルです。 これなら、並べるまで『仕事』で、それをこなして捨てるのが『作業』です。解りやすいでしょう? 今回の「人生とお金」は、新社会人向け「仕事の基本」でした。ではまた次回。
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